「絨毛検査ってなんだろ?羊水検査と一緒によく聞くけど、いまいちよくわからない…」
そのようにお悩みではありませんか?
そこでこの記事では絨毛検査について解説します!さらに羊水検査と比較した違いや、リスク・費用まで解説するので、もう絨毛検査について知らないことはなくなります!
早速絨毛検査について学んでいきましょう!
目次
絨毛検査とは
絨毛検査(じゅうもうけんさ)とは出生前診断の一つで、妊娠初期の胎盤の一部を針で採取して得られた胎児細胞をもとに染色体や遺伝子異常の有無を調べる検査のことです。
多くの先天性疾患をほぼ100%の精度で発見できるため、羊水検査と並んで「確定検査」と呼ばれています。
破水のリスクもあるため、NIPTやエコー検査などで異常があった場合にのみ妊娠10週以降で実施されることが多いです。
絨毛検査でわかること
絨毛検査では以下をはじめとする多くの先天性疾患を判定することができます。
- ダウン症候群(21トリソミー)
- エドワーズ症候群(18トリソミー)
- パトー症候群(13トリソミー)
- ターナー症候群
- クラインフェルタ症候群
- 開放性神経管奇形
また胎児の性別や血液型も希望すれば検査することもできます。
ただしダウン症など絨毛検査でもわからない疾患も存在するため、絨毛検査で異常がないからといって100%疾患なく生まれてくるわけではありません。また正常な染色体と異常をもった染色体が混在する胎盤性モザイクの場合は正しい結果を得ることができないので、合わせて羊水検査をする必要があります。
絨毛検査の方法
絨毛検査には、母体の腹壁から細胞を摂取する「経腹法」と、膣〜子宮頸管にかけての細胞を摂取する「経膣法」の2種類の方法があります。
エコー検査で胎盤の位置を確認した上でどちらの方法で絨毛検査を実施するかを決定します。
経腹法
経腹法は母体の腹壁から細胞を採取する方法です。胎盤が子宮の底部や前壁に付着している場合に用いられます。
エコーで胎盤と胎児の位置を確認しながら、腹部から慎重に針を挿入していきます。
腹部から針を注射するためほとんど痛みがないです。術後しばらく表面に痛みが生じる場合もありますが、ほとんどの場合数日で落ち着きます。
経膣法
経膣法は母体の膣〜子宮頸管にかけての細胞を摂取する方法です。胎盤が後壁や頸管に近い前壁に付着している場合に用いられます。
エコーで胎盤と胎児の位置を確認しながら、膣スペキュラムとカテーテルと呼ばれる器具で膣口を広げながら針を膣口から慎重に挿入していきます。
カテーテルを挿入する際に痛みを伴うので麻酔をすることが多いです。検査後は膣から少量の出血をすることもありますが、数日程度で治ります。
絨毛検査と羊水検査の違い
出生前診断の確定検査(精度がほぼ100%の検査)は絨毛検査以外にも羊水検査があり、比較の対象になることが多いです。

羊水検査との違いは主に、
- 検査可能時期
- 検査可能項目
- 破水のリスク
- 実施可能施設数
の4つです。
絨毛検査 | 羊水検査 | |
検査可能時期 | 妊娠11週〜 | 妊娠15週〜 |
検査可能項目 | 多い | 少ない |
破水のリスク | 1.0% | 0.3% |
実施可能施設数 | 多い | 少ない |
早い時期から検査が可能
羊水検査が妊娠15週から検査が可能になるのに対し、絨毛検査は妊娠11週から検査が可能になります。
そのため早めに検査を行い心の準備や決断の期間を長く取りたい人は羊水検査より絨毛検査を好む傾向にあります。
破水・流産のリスクは高い
絨毛検査も羊毛検査もどちらも流産のリスクがあります。
羊水検査の流産の確率は0.3%であるのに対し、絨毛検査の流産の検査確率は1%です。
ただし、妊娠の週数が短いうちに検査をすることは流産のリスクが高まるため、妊娠可能週数が早い絨毛検査の方が統計的に流産の確率が高くなるのは自然なことでもあります。
実際に同じ時期に検査をした際の確率を比較した際にはそこまで大きな差はないと言われています。
実施可能な施設が少ない
絨毛検査は羊水検査に比べてリスクが高く、安全に手術を行うには高い技術が必要であるため実施している病院は多くありません。
絨毛検査に対応している病院が近くにあったい特に絨毛検査にする理由があったりする場合以外は羊水検査を選ぶのが無難と言えます。
絨毛検査のリスク
痛みを伴う
絨毛検査は母体の腹部もしくは膣に針を刺して検査を行うので、筋肉注射と同程度の痛みを伴います。強い痛みではないため麻酔なしでも検査は可能ですが、多くの病院で腹部に局所麻酔をするので、ほとんど痛みはないケースも多いです。
破水・流産
絨毛検査は子宮に針を直接差し込むため1.0%の確率で流産をすることがあります。
ただし40代の約40%、全年齢の約15%が染色体異常が原因で自然流産してしまうため、検査をしなかった場合でも流産をしてしまうこともあります。自然流産の可能性の見極めをして少しでもショックを和らげるためと考えると、必ずしも高いリスクではないとも言えます。
絨毛検査を受けるべき人の特徴
ここではどのような人が絨毛検査を受けるべきかを解説します。
なお、ここで記載しているのはあくまで判断の基準の一つにしか過ぎません。中には疾患が確定してしまった戸惑いや破水をした悲しみで「受診しなければよかった」と後悔するかたもいます。最終的には自己判断で受診をお願いします。
非確定検査で陽性だった人
絨毛検査は流産のリスクがあるため、ほとんどの病院ではエコー検査やクアトロテストなど非確定検査で陽性だった場合でなければ絨毛検査を行うことができません。
非確定検査で陽性であった場合は先天性疾患を持っている可能性が高いので、事前に疾患を知りたいのであれば絨毛検査を受けても良いでしょう。特にNIPT(新型出生前診断)は非確定検査ながら90%の精度で疾患を発見できるので、NIPTで陽性であった場合には合わせて絨毛検査を受ける方が多いです。
妊娠15週より早く出生前診断をしたい人
同じ確定検査の羊水検査が妊娠15週から検査が可能になるのに対し、絨毛検査は妊娠11週から検査が可能になります。
なるべく早く疾患について知り、準備や決断をする期間を長く取りたい人は流産のリスクが少し高くなったとしても絨毛検査を受けてしまうのも手段の一つです。
絨毛検査の費用
絨毛検査の費用の相場は8万円〜20万円です。自由診療なので保険は適用されず全額自己負担になります。
NIPTなどの非確定検査で陽性だった場合に無料で羊水検査が実施できる病院もあります。
医療機関によって値段が異なるので、実施の際は必ず各医療機関に問い合わせてください。
メディオンクリニックでは絨毛検査の費用の無料相談を行っています。お気軽にお問い合わせください。
絨毛検査 まとめ
今回は絨毛検査について説明しました!
絨毛検査について詳しく理解して安心して検査を受けていただければ幸いです。
メディオンクリニックでは出生前診断に関する無料相談をLINEで行っています。
「どの検査がいいの?」「どこの病院がいいの?」などお気軽にお問い合わせください。