「子宮内フローラって何だろう。知りたい。」
あなたは今、そうお考えではありませんか?
なかなか妊娠できなくて悩んでいる。子宮内フローラが妊娠に良いって聞いたけどよく分からない。
もし、子宮内フローラについて解説してもらえたら理想的ですよね。
そんなあなたに朗報です。
この記事では、子宮内フローラの改善が妊娠に効果的な理由について現役の医師が詳しく解説しています。
さらに、この記事では子宮内フローラを改善し善玉菌を増やす方法についても解説しているので、妊活のために今できることが分かります。
今回は子宮内フローラの説明から子宮内フローラが妊娠に効果的な理由、子宮内フローラの検査方法、子宮内フローラを改善し善玉菌を増やす方法について解説していきます。
子宮内フローラのことを深く理解して妊活を進めるために、この記事がお役に立てば幸いです。
目次
子宮内フローラとは
もともと子宮内部は菌が全く存在しない無菌状態であると考えられていました。しかし、近年になって子宮の内部にも様々な菌が存在することが判明しました。この子宮内部に存在する細菌の集合体を子宮内フローラと呼びます。
最近の研究によって子宮内フローラの環境が妊娠や妊娠継続に影響があることが分かってきました。子宮内フローラと妊娠に関する多くの報告が上がっており、現在不妊治療の領域で注目を浴びているテーマでもあります。
子宮内フローラの改善が妊娠に効果的な理由
引用:Varinos株式会社
子宮内フローラの中には様々な菌が存在しており、中でも子宮内の善玉菌(ラクトバチルス属)を増やすことが妊娠に効果的であると考えられています。
膣内に雑菌が増えると細菌性腟症、酵母感染症、性感染症、尿路感染症などの病気を引き起こす恐れがあります。このような病原体によって子宮内膜で免疫が活性化すると受精胚を異物として攻撃してしまうため、妊娠が妨げられてしまいます。
子宮内に善玉菌の割合が多いと雑菌の増殖を防ぎ、病原体を死滅させる効果があるため、妊娠しやすくなると考えられます。
2016年に行われた研究では、体外受精を行なっている不妊治療患者35人を対象に、子宮内フローラの状態と妊娠率との関係を比較しました。その結果、善玉菌(ラクトバチルス属)が多いほど妊娠率が高いことが分かりました。
引用:おち夢クリニック
また、赤ちゃんができた患者は子宮内フローラに占めるラクトバチルスの割合が大きいのに対し、妊娠できなかった患者はその他の雑菌が増殖していることが分かります。
引用:神奈川ARTクリニック
これらのことから、子宮内の善玉菌(ラクトバチルス)を増やすことで妊娠しやすくなることが分かります。
子宮内フローラの検査方法
子宮内フローラの環境を検査するには検査提供をしている医療機関を受診する必要があります。
病院で器具を用いて子宮内内容液を採取し、採取した液から次世代シークエンサーを用いてDNAを解析します。DNA配列を解読した後は、そこから菌の存在量を推定することで子宮内フローラの環境を調べることができます。
検査費用は保険適用外のため全額自己負担となり、40,000~70,000円が相場です。
子宮内フローラを改善する増やす方法
子宮内フローラを改善するには善玉菌(ラクトバチルス菌)を増やし、善玉菌が正常に作用するように育てていくことが必要です。
発酵食品を摂取する
乳酸菌を摂取することによって善玉菌の数が増え、妊娠しやすくなります。
乳酸菌を取れる主な食材
・ヨーグルト
・納豆
・チーズ
・ヨーグルト
・醤油
また、乳酸菌は加熱すると死んでしまうため、作る過程で加熱処理を行わないよう注意が必要です。
食物繊維・オリゴ糖を摂取する
食物繊維やオリゴ糖は善玉菌の餌となり、正常に働くよう育てることができます。
食物繊維を摂れる主な食材
・人参
・大根
・大豆
・きのこ
・海藻
オリゴ糖を摂れる主な食材
・牛乳
・豆乳
・玉ねぎ
・味噌
・はちみつ
加工食品やジャンクフードは悪玉菌の餌となり妊娠しにくくなるため、控える必要があります。
サプリ(ラクトフェリン)を摂取する
子宮内フローラを改善する成分として、近年ラクトフェリンが注目されています。
ラクトフェリンは熱や胃酸に弱く食品から摂取することが難しいため、サプリで摂取することをおすすめします。
子宮内フローラ まとめ
今回は子宮内フローラについて解説しました。
・子宮内フローラとは子宮内部に存在する細菌の集合体のこと
・子宮内フローラを改善すると妊娠しやすくなる
・子宮内フローラの改善とは子宮内の善玉菌を増やすこと
・善玉菌を増やすには発酵食品、食物繊維、オリゴ糖、サプリを摂取する