中絶

人工中絶は危ない?中絶手術を受けるリスクについて解説

中絶を予定していたり検討していたりする方の中には、中絶にどのようなリスクがあるのか知りたいという方は多いかと思います。日本における中絶手術では、重い後遺症や将来の妊娠に影響を与えることはほとんどありません。しかし中絶は手術を行う時期が遅くなればなるほど母体への負担が増大するため、それに伴いリスクも高くなってしまうため注意が必要です。

この記事では、中絶手術を受けるリスクについて詳しく解説していきます。中絶を検討していてリスクについて知識を深めたいという方は、ぜひ参考になさってください。

妊娠初期と妊娠中期でリスクが変わる

人工妊娠中絶手術のリスクは、手術を受ける時期によって異なります。中絶手術が出来る期間は母体保護法によって妊娠22週未満(21週と6日)と決められているため、手術を行う場合には妊娠22週に入る前に行わなければいけません。

中絶手術は妊娠12週を境に手術方法が変わり、妊娠初期=妊娠12週未満(11週と6日)よりも妊娠中期=妊娠12週(12週と1日)以降の方がリスクは高くなります。これは、妊娠中期の手術方法の方が本人に与える身体的、精神的負担が大きいためです。

以下に妊娠初期、中期の手術方法と両者の違いについてご紹介します。

妊娠周期 中絶手術の方法 手術の内容
初期(妊娠12週未満) 掻爬(そうは)法 ・専用の器具を使って子宮の内容物をかき出す
吸引法 ・専用の器械を使って子宮の内容物を吸い出す
中期(妊娠12週以降) 分娩 子宮収縮剤を使って人工的に陣痛を起こし、流産させる

妊娠初期の中絶手術は10~15分程度で終わり、痛みや出血も少なくて済むため体調が良ければ手術当日には帰宅出来ます。しかし一方の中期の中絶手術は分娩という形を取るため体への負担が大きく、手術後も数日間の入院が必要です。

中絶手術の死亡リスク

日本の中絶手術の死亡率は非常に低く、10万件に約1件とされています。これは中絶手術は母体にかける負担が大きく、特に中期の中絶に関しては命が危険にさらされる可能性もあることから多くの病院が慎重に処置を行っているためです。中絶手術の死亡率の低さは、安全に処置を行うことが出来る環境が日本において整備されていることの成果ともいえます。

死亡率の観点からいうと実は中絶よりも出産の方が死亡の危険度は高く、日本産婦人科医会が取りまとめた妊産婦死亡報告事業によると母の年齢階層別の妊産婦死亡率は以下の通りとなっています。

年齢別の妊産婦死亡率(2010~2016年)
年齢 死亡数/10万件
~19歳 0.9
20~24歳 2.5
25~29歳 2.8
30~34歳 4.3
35~39歳 7.0
40歳~ 11.8

参考:日本産婦人科医会 妊産婦死亡報告事業(2010年~2016年に集積した事例の解析結果)

日本における出産による死亡リスクが中絶よりも高いものであることは、上記データが示す通りです。また死亡率は出産年齢が高くなるほど上がり、20代前半と比べると30代後半では2.8倍、40歳以降では4.7倍にまで上昇します。

合併症のリスク

中絶手術のリスクとして特に注視しておかなければいけないのは、合併症(手術や検査、病気などが原因となって引き起こされる別の病気)です。母体保護法指定が行う中絶手術では以下でご紹介するような合併症を引き起こすリスクは極めて低いですが、可能性が全くないわけではありません。そのため中絶手術を検討するにあたり、合併症に関する知識は深めておくことをおすすめします。

繊維の取り残し

中絶手術では、専用の器具を子宮頸部に挿入して子宮内部の組織を取り除く方法が取られます。実際に医師が子宮の内部を目で見ながら行うものではないため、ベテランの医師であっても子宮の内容物を一部取り残してしまうケースがあります。このように子宮内に組織が取り残された状態のことを「繊毛遺残」といい、繊毛遺残は子宮奇形や子宮筋腫などで子宮が変形していたりする場合に起こりやすいものです。

繊毛遺残回避のため、多くの病院では手術前に超音波(エコー)検査で子宮の状態を詳しく調べたり手術後に遺残がないかどうかを慎重に確認したりする対応を取っています。また中絶手術が終わって帰宅した数日後に行う術後検診でも、内診によって遺残の確認を行うのが一般的です。

感染症への感染

日本ではほとんどの病院が感染症対策として清潔に保った手術室で適切に殺菌消毒を施した手術器具を使用して手術を行っており、感染症にかかることは極めてまれです。ただ中絶手術は子宮頸管を拡張した状態で行うため、通常時よりも感染症にかかる危険性は高くなります。

またもともとクラミジアなどの感染症にかかっている場合には中絶手術によって骨盤腹膜炎などを併発する危険性が高まるため、手術前におりもの検査や血液検査を行い陽性の結果が出た場合には抗菌剤の処方を行った上で手術に臨むのが一般的です。

中絶手術によって感染症にかかった場合、主に以下のような症状が起こります。

  • 発熱
  • 子宮の痛み
  • 白血球の急激な上昇

万が一感染症にかかってしまったりその可能性が疑われる場合には、適切な抗生物質の投与を行います。

子宮頸管の損傷

中絶手術は子宮頸管を拡張して行いますが、その際急に子宮頸管を拡張したり経験の浅い医師が鉗子などの手術器具を乱雑に取り扱ったりすると子宮頸管を損傷してしまう事態が起こります。子宮頸管損傷は手術後には何も症状が現れなかったとしても次の妊娠時に子宮頸管無力症※を引き起こす可能性があるため、合併症の中でも特に注意しておかなければいけない症状のひとつです。

※子宮頸管無力症とは・・自覚症状が何もないまま子宮頸管が開いてしまう症状で流産や早産、前期破水の原因になる

子宮頸管損傷を避けるため日本産婦人科医会やWHOでは手術前に処置を行うことを推奨しており、多くの病院でも事前処置を徹底して行っています。事前処置の内容としては、急な子宮頸管拡張を防ぐために手術の数時間前に水分を吸収して膨らむ性質を持つスポンジ状の専用医療器具を子宮頸管に挿入し、手術に必要な分の頸管拡張を行うという方法が取られるのが一般的です。

出血

少量の出血は手術後によくみられる症状の一つですが、時間の経過とともに徐々に落ち着いていくため過度に心配する必要はありません。また大量出血に関しても中絶手術による合併症の一つとして列挙されますが、極めてまれなケースでありほとんど起こることはないと言っていいでしょう。

大量出血の原因には前項でご紹介した子宮頸管の損傷や子宮穿孔(子宮に穴や開く症状)、血液凝固障害などが挙げられます。ただ出血があっても開腹手術や腹腔鏡手術などを行わなければいけないほど重篤なケースはめったにありません

手術後のリスク

中絶手術はその性質上、手術後に体や精神にさまざまな不快な症状を引き起こすことがあります。ここでは中絶手術後のリスクとして、体と心に生じる症状や副作用についてご紹介していきます。

体の症状

中絶手術後に起こる可能性がある症状としては、以下の通りです。

  • 痛み
  • 出血
  • 吐き気・嘔吐
  • 気持ち悪さ
  • めまい・頭痛

痛みや出血に関しては両者ともに通常の生理時に起こる程度のもので、痛みについては数日~1週間程度、出血については1週間から長くても10日程度経てば収まります。中絶手術後に起こる痛みは、妊娠によって状態が変化した子宮が収縮することで元の状態に戻ろうとしているために起こる症状です。子宮収縮によって引き起こされる痛みは中絶手術後に限らず出産後にも起こるもので、痛みがあることは正常に子宮復古(妊娠によって生じた変化が時間の経過とともに妊娠前の元の状態に戻ること)が行われていることの証であると言えます。

一方出血量の程度については個人差があり、一概にこれぐらいの量が出るということはありません。生理2日目相当の出血があったという方から出血がほとんどなかったという方、おりものぐらいの量だったという方など実に多種多様です。

中絶手術後の出血は当初は多量に出たとしても日数が経過するごとに徐々に少なくなっていくことがほとんどのため、出血が長く続くという場合でも少量であれば問題ありません。ただし出血があまりにも多い場合には合併症などを引き起こしている可能性があるため、出来るだけ早く病院を受診しましょう。

また吐き気や嘔吐、気持ち悪さ、身体が浮くような感覚、めまい・頭痛などの症状は手術で使用する麻酔薬による副作用であり、麻酔が効きすぎた場合に起こる症状です。多くは麻酔が切れた後もしばらく身体を休めることで回復します。

心の症状

中絶手術後に起こる代表的な心の症状は、以下の通りです。

  • ストレス
  • PTSD(心的外傷ストレス)

中絶手術が与える影響は、体よりも精神面の方が大きいものです。1回中絶を受けると当時の記憶を一生忘れることが出来ず、そのストレスに苛まれる人は多くいます。中には、中絶手術で受けた強烈なストレスが原因でPTSD(心的外傷ストレス)を発症する方も少なくありません。

PTSDを発症すると、同じ内容の悪夢を見たりふとした瞬間に忘れていたはずの当時の苦痛や悲しみ、怒り、無力感などの感情がよみがえってきたりして情緒が不安定になります。これらの症状が進行するとうつ病を発症することもあるため、注意が必要です。

中絶手術を行っている病院では、手術後のストレスやPTSDなどの精神症状の治療としてカウンセリングを行っています。中絶によるストレスは一人で抱え込まず、専門家の治療を受けることが最善です。症状を自覚したら出来るだけ早く病院を受診して医師に相談しましょう。

中絶手術は今後の妊娠に影響するのか?

中絶手術を受けたからといって、その後妊娠しにくくなるということは基本的にはありません。ただ妊娠中は子宮が柔らかく傷つきやすいため、手術によって子宮が傷ついてしまうとまれにその後妊娠出来なくなってしまうケースもあります。

また以下のようなケースの場合には、将来の妊娠が難しくなる場合があるため注意が必要です。

  • 一度だけではなく何回も中絶を繰り返す
  • 術後に重い合併症が起きる(感染症や臓器の癒着、子宮頸管無力症など)

中絶を何回も繰り返すと子宮内膜が薄くなってしまい、その後の妊娠に影響を与える可能性があります。日本では医療環境が整えられているため中絶手術の危険性は低いものとなっていますが、だからといってリスクが全くないということではありません。中絶手術はリスクと隣り合わせであるということを念頭に置いたうえで、ご自身の身体や心を守るための適正な対応を取ることが大切です。

まとめ

この記事では、中絶手術を受けるリスクについて解説しました。中絶手術は適切な方法で行われれば、合併症や将来の妊娠に影響を与えることはほとんどありません。ただリスクがゼロというわけではなく、特に妊娠中期の中絶は母体にかかる負担が大きくリスクが高くなります。そのため中期中絶を行っていない病院は多く、中絶時期が遅くなるほど病院探しは難しくなることが考えられます。

リスクを最小限に抑えるためにも、妊娠が発覚したら中絶するか出産するかを迷っている段階であっても出来るだけ早く病院を受診することが大切です。

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