中絶

中絶手術を受けた場合の精神的な影響は?

中絶手術を受けると、身体的な影響に加えて、精神的な影響も感じます。身体的な影響は、1ヶ月も経てば落ち着くことがほとんどですが、精神的な影響は1ヶ月では落ち着かない人も多くいます。

この記事では、中絶手術を受けた場合に生じやすい精神的な影響や、心を回復させていく方法をご紹介します。精神的な影響が起きていることで、自分を責める必要はありません。時間をかけて向き合っていきましょう。

中絶を受けた場合の精神的な影響

中絶手術を受けた場合によく起こる、精神的な症状や、精神的な症状に由来する行動の変化について紹介します。

PTSD

PTSDとは、日本語で「心的外傷後ストレス障害」のことで、人の通常の防衛機能を圧倒し、激しい恐怖感、無力感、捉われ感、自制心の欠如などを引き起こす心理的な機能不全のことです。中絶手術を受けた約20%の女性が、PTSDの症状を訴えます。PTSDとまではいかない軽度のものも含めると、中絶手術を受けた半数程度の女性が、心理的なストレスを感じています。

PTSDの主な症状は、次のようなものが挙げられます。

  • 気分の変化(感覚が麻痺する、常に気持ちが張り詰めている)
  • 過剰反応(すぐに怒ったり泣いたりする、睡眠障害になる)
  • 再体験(当時の記憶が突然フラッシュバックする、悪夢を見る、中絶した当時と同じような感覚に陥る)
  • 回避(性行為や結婚など、妊娠に繋がりそうな行動を避ける)

PTSDの原因となる、大きなストレスを感じる場面は、人により様々です。このような場面で、大きなストレスを感じることがあります。

  • 中絶すると決めた時点で罪悪感を持ち、病院へ行くたびに罪悪感が増した
  • つわりや胎動がなくなったことで、お腹の中からいなくなったことを感じた
  • 中期中絶後の死産届提出や火葬手続きなどで、死なせてしまった実感が増した

PTSDを発症する人は、手術前〜手術直後からメンタルの変化が大きかったとは限りません。中絶手術の前は、手術をするかどうか決断したり、手術を決断したら準備に追われたりなど、手術に向けての行動で頭がいっぱいになりやすいです。そのため、手術が終わってある程度時間ができると、いろいろなことを考えるようになり、PTSDを発症することもあります。「自分には関係なさそう」と思っている人が、あとでPTSDになることも珍しくありません。

性的機能不全

中絶手術をした女性の30~50%が、性的機能不全を感じると報告されています。主な症状には、以下のようなものが挙げられます。

  • 性行為に喜びを感じづらくなる
  • 性行為を毛嫌いする
  • 男性不信に陥る
  • 性的に乱れた生活を送る

性行為を避けるようになるというイメージを持たれがちですが、性的に乱れた生活を送り性行為をが増える人もいます。これまでとは性行為に対する捉え方が変わり、違った行動をとるようになります。

喫煙やアルコールが増える

中絶後のストレスは、喫煙の増加やアルコール乱用に関係があることが、研究により示されています。喫煙やアルコールによって、気を紛らせようとする人が増加します。

中絶後に喫煙が増加すると、後で望んだ妊娠をして出産する場合にも、喫煙をやめられずに胎児の異常につながってしまうことがあります。喫煙量が増加している場合は、禁煙外来の受診も検討しましょう。

中絶後にアルコールを乱用すると、暴力を振るったり暴言を吐いたりすることで、周囲の人との関係が悪化することがあります。パートナーとの別居や離婚だけでなく、親や友人などにもきつく当たってしまい、関係が悪化することがあります。

自殺未遂

フィンランドでの研究になりますが、中絶と自殺の間には統計上の強い関連性があることが確認されています。中には複数回自殺を図る人もいて、自殺したいという気持ちが芽生えやすくなることがわかっています。

また自殺未遂を起こすだけでなく、自殺を考えるようになることが増えます。中絶を経験した女性の半数以上が、自殺を考えたことがあるというデータも出ています。(中絶に関わる主な精神的影響のリストより)

離婚など人間関係での問題

中絶手術を機にパートナーとの関係がギクシャクしてしまうことは、よく見られます。中絶を機に別居や離婚にまで発展することも、珍しくありません。中絶手術を経験した半数以上の方は、パートナーの男性との関係に影響が出たというデータもあります。(平成7年度厚生省心身障害研究「望まない妊娠等を防止する」より)

中絶手術を機に関係が悪化する際は、「パートナーから責められた」などのわかりやすい行動がない場合も多いです。このようなパートナーの心境に気づいて、関係が悪化することもあります。

  • 中絶前の話し合いで、パートナーに「子供を産み一緒に育てる」という選択肢がないことが感じられた
  • 中絶後に、パートナーが中絶の話題を避けている
  • 「中絶は女性側だけの問題」とパートナーが捉えている

当人どうしの問題だけでなく、友人や同僚などの周囲の人から責められることもあります。中絶のことは、できれば周りの人に話したくないものです。しかし、仕事を休む理由を聞かれたなどで、どうしても中絶のことを伝えなければいけない場面はあります。

周りの人に中絶のことを伝えると、「できる限り中絶の話はしたくない」という本人の気持ちを無視して、根掘り葉掘り聞いてきたり、中絶したことを一方的に責めたりする人が現れることがあります。どのような話題であれ、本人が話したくないと思っていることを根掘り葉掘り聞くのは、大人の行動としてふさわしくありません。しかしながら「他人のデリケートな問題に踏み込んだ上に、相手を責める」という行動をとる人も、少なからず存在します。

中絶のことを根掘り葉掘り聞く人や、一方的に責めてくるような人が周りにいる場合は、距離を置くことも必要です。自分の心の中に土足で踏み込んでくるような人と、親しい関係を続けていると、なかなか精神的な症状が治らないことがあります。自分の心身を守るためには、ある程度距離を置きましょう。

中絶を繰り返す

中絶手術を一度受けた人は、中絶を繰り返しやすい傾向があります。中絶全体の45%が、中絶を繰り返す女性によるものである、というデータもあります。(中絶に関わる主な精神的影響のリストより)

人によっては、中絶後に生理が再開するのを待たずに、続けて妊娠してしまうこともあります。

心を回復させるためには

心を回復させるために取ると良い行動を紹介します。ただしこれらの方法は、全ての人の精神状態を良くする方法ではなく、逆に精神状態が悪くなる可能性もあります。試してみる過程で、精神状態が悪くなったと感じる場合は、すぐに中止してください。

中絶後は精神的に落ち込みやすくなることを認知する

まず心がけたいのは「中絶後は落ち込みやすくなる」と知って、落ち込んでいる自分を認めることです。『中絶は、今の自分にできる最善の決断』という結論が出ていたとしても、実際に手術を受けた後は落ち込んでしまいがちです。まずは中絶手術を選んだ自分を認めることや、落ちこんでいる今の自分を認めることが大事になります。

中絶後に落ち込んでいる自分に気づき、「落ち込んでいる自分がおかしい」と自分を責めるようになると、なかなか症状が落ち着かないことも。まずは今の自分を認めることから始めましょう。

信頼できる人と過ごす

信頼できる人と過ごす時間を増やして、少しずつ精神状態を回復させていくこともおすすめです。あなたの精神状態を考えた上で発言や行動をしてくれて、信用できると思える人と、一緒に過ごしましょう。逆に、あなたの精神状態を無視して、精神状態が悪化しそうな言葉ばかり投げかけるような人とは、ある程度距離を保って付き合いましょう。

人との距離を置く場合は、「今後も良い関係でいるために、今は距離を保って付き合う」という認識を持ちましょう。距離を置くことに罪悪感がある人は、「距離を置いたのは相手を嫌っているから」と認識していることが多いです。「今後も付き合いを続けるために距離を置く」という選択肢もあることを知りましょう。

カウンセリングを受ける

プロのカウンセラーと話をすることで、今の自分を認められるようになったり、過度な罪悪感を手放せるようになったりして、症状が落ち着くことがあります。カウンセラーには守秘義務があるので、話が漏れてしまう心配もありません。

産婦人科によっては、中絶後の心のケア専門のカウンセラーを紹介してもらえることがあります。検診の際に相談してみましょう。

同じ境遇の人と話す

中絶手術を経験した人どうしで話すと、楽になることがあります。「悩んでいるのは私だけでない」と知ったり、悩みを乗り越えていった人の話を聞いたりすることで、心が落ち着いてきます。中絶手術を経験した友人どうしで話すことに抵抗がある場合は、中絶手術を経験した女性が集まる会に参加することもおすすめです。

ただし同じ境遇の人と話す際は、いろいろなことを思い出して、さらに落ち込んでしまう可能性もあります。一度話してみて、さらに落ち込んでしまうようであれば、同じ境遇の人と話すのは控えましょう。

心療内科で薬を処方してもらう

ひどく落ち込んでいるときは、日常生活すらままならない状態になり、周囲の人やカウンセラーの言葉も耳に届かないようになります。薬による治療を取り入れることで、日常生活を普段どおり送れるようになったり、周囲の温かい言葉に耳を傾けられるような精神状態を取り戻したりすることができます。

記事を読み進めながら、「カウンセリングを受けたり、同じ境遇の人と話したりする気になれない」と思った場合は、心療内科の受診も視野に入れましょう。中絶手術を機に精神的なバランスが崩れて、心療内科に通うことは、決して珍しいことではありません。

心療内科で処方される薬の中には、服薬中に妊娠を避けるよう指導されるものもあります。再び妊娠したいという意思がある場合は、事前に医師へ伝えておきましょう。

時間をかけて乗り越える

中絶手術を受けて精神的なバランスが乱れたら、1〜2日で劇的に改善することは稀です。なかなか症状が改善しないことで、さらに自分を責めて落ち込んでしまうこともあります。

中絶手術後の精神的な症状は、「時間をかけて乗り越えるもの」だと知ることが、非常に大事です。落ち込んでいる自分を責めず、受け入れることから始めましょう。

あなたの精神状態を回復させるために、善意で様々なアドバイスをくれる人が現れるでしょうが、全てのアドバイスがあなたに有効であるとは限りません。もし精神状態が悪化するようなことがあれば、アドバイスに従っている場合でもすぐに中止しましょう。

 

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