低用量ピル

ピルを服用したら生理がこない!理由や対処法について医師が解説

「ピルの服用しているのに生理が来ないけど、もしかして妊娠してる?」

「ピルの休薬期間に生理が来ないのは単なる生理不順?」

ピルを飲んでいるのに生理が来ない=経血が出ないという現象は、多くはないもののそこまで珍しいことではありません。とはいえ、休薬期間に入ってしばらくすれば来るはずの生理が来ないととても不安になりますよね。

そこで今回は、ピルの服用中に生理が来ない理由と対処法について詳しく解説します。

この記事が、今抱えている不安や疑問を解消する手助けになれば幸いです。

低用量ピルを飲むと生理はどう変わる?

低用量ピルを服用すると、一般的に生理は以下のように変わります。

  • 経血の量が減る
  • 生理痛が緩和される

ピルの服用中に出る経血は、厳密にいうと生理によるものではありません。この経血は「消退出血」と呼ばれるもので、通常は休薬期間に入ってから2~3日程度で起こります。消退出血がどのようにして起こるかというと、休薬によってそれまで補われていた女性ホルモンがなくなったことで子宮内膜の増殖が止まり剥がれ落ちることが要因です。

消退出血が起こる仕組みは普段の生理と同じで、以下のようなプロセスを踏みます。

引用:生理のミカタ 生理のしくみ

低用量ピルは、卵巣から分泌される女性ホルモンのエストロゲン」と「プロゲステロン」を主な成分として配合するホルモン剤です。そしてこの2つの女性ホルモンは、以下のような役割を果たしています。

女性ホルモン 分泌される時期 作用
エストロゲン 排卵前 子宮内膜を増殖させる(厚くする)
プロゲステロン 排卵後 エストロゲンの働きによって厚くなった子宮内膜の状態を維持して着床できるようにする

妊娠が成立しなかった場合、上記の2つの女性ホルモンは分泌されません。そのため、子宮内膜を維持できなくなって子宮内膜がはがれ落ちます。このはがれ落ちた子宮内膜が生理の経血です。

一方ピルを飲むとエストロゲンとプロゲステロンの体内濃度が高まり、子宮内膜の増殖と着床の準備が行われて体が排卵後と同じ状態へと変化します。すると体は妊娠期と似た状態となるため、生理が来なくなるのです。

またその後ピルの服用をやめると、エストロゲンとプロゲステロンの体内濃度は徐々に低くなります。これにより消退出血が起こるというのが、ピル服用中に出血が生じるメカニズムです。つまりピルはこの2つの女性ホルモンの体内濃度を変化させることで、生理をコントロールしていく薬といえます。

ピルを飲んでいると「経血量が減った」「生理痛が軽くなった」という声を頻繁に耳にしますが、これはピルに含まれるエストロゲンの濃度が体で作るエストロゲンよりも低いことによるものです。エストロゲンの濃度が低いとその分子宮内膜の厚みが薄くなるため、はがれ落ちる子宮内膜の量が少ないことで経血量が減ったり生理痛も軽くなったりすると考えられています。

低用量ピルについてもっと詳しく知りたいという方は、こちらの記事も参考になさってください。

ピル服用中に消退出血がくるタイミング

ピル服用中の消退出血は休薬期間に入ってから2~3日で起こり、その後の出血は普段の生理と同じように3~7日程度続きます。休薬期間とはその名の通り薬=ピルを休む期間のことで、主に以下のような理由で設けられているものです。

  • 妊娠していないかどうかを消退出血の有無で確認する
  • 卵巣機能を正常に保つために卵巣を活動させる

薬の種類によって違うものの、1シートが28日分の低用量ピルの場合には服用期間と休薬期間は以下のようなスケジュールで設定されるのが一般的です。

  1. 低用量ピルを毎日1錠ずつ、21日間飲み続ける
  2. 21日分のピルを飲み終えたら、7日間は薬を飲まない(もしくは女性ホルモンが全く含まれていない偽薬(プラセボ)を飲む)

2の偽薬(プラセボ)は休薬によってピルを飲む習慣がなくなって服用を再開した際に、飲み忘れが起きないよう予防的に飲むものです。そのため休薬期間を挟んでも飲み忘れることはないという場合には、偽薬を飲む必要はありません。

ピルを服用している間卵巣はずっと休んでいる状態ですが、休薬をすると卵巣が刺激を受けて卵胞※を育てようと活動を始めます。卵巣機能を維持するためにも、休薬期間は重要なプロセスです。「休薬をするとその間に妊娠してしまうのでは・・」と不安に感じる方もいるかもしれませんが、休薬期間は排卵後に設けられていて妊娠する可能性は極めて低いため、安心して休薬を行っていただければと思います。

※卵胞・・卵子を包む小さな袋のような組織で自身を破裂させることで排卵を起こす。卵胞はその後黄体に変わってプロゲステロンやエストロゲンなどの女性ホルモンを分泌し、子宮内膜を着床できる状態に変える。

生理(消退出血)がこない理由

中には、休薬期間に入っているのに一向に消退出血が来ないという方もいます。ただ休薬期間中に消退出血が来なかった人の割合は1%未満とされていて、このようなケースは非常にまれです。ピルの服用を開始して1か月目で消退出血がなく不安な場合には、病院を受診して医師に相談しましょう。

また2か月続けて消退出血が来ない場合は妊娠している可能性があるため、なるべく早くピルを処方してもらっている病院の医師に相談してその指示のもと検査を受けることをおすすめします。なお休薬期間中に消退出血が来なかった場合でも、ピルの服用はそのまま続けて問題ありません。

ピルの服用中に妊娠する可能性についてもっと詳しく知りたいという方は、こちらの記事も参考になさってください。

低用量ピルの購入ならオンライン診療がおすすめ

この記事では、ピルの服用中に生理が来なくなる理由や対処法について解説しました。ピルを服用すると体が妊娠中のときと似たような状態になり、生理が来なくなります。ピルを飲み続けると将来的に妊娠しにくくなるという噂も飛び交っているようですが、これは完全な誤情報です。

不要な排卵を抑えることで卵巣機能と子宮内膜を良好な状態に保つピルは、むしろ将来にわたって妊孕性を維持するという面で重要な役割を果たしてくれます。(ただし、ピルを飲んでいれば高齢でも妊娠しやすくなるということではありません。)

生理日をコントロールしたい方や生理痛を和らげたい方、避妊したい方などにはピルは非常におすすめです。

当院ではオンライン診療で低用量ピルの処方を行っています。ピルの購入を検討している方は、ぜひお気軽にご相談ください。