低用量ピル

ピルは保険適用できない?保険適用になる理由と適用外の金額についても解説

「ピルは保険適用できないって本当?」「同じピルを処方してもらっても保険適用になったりならなかったりするらしい」

こんな疑問を抱いたり噂を聞いたりしたことがある方も多いのではないでしょうか?病院で行う診察や検査、薬の処方はすべてがすべて保険適用になるわけではなく、これはピルについても同様です。

ピルは使用目的によって保険適用になる場合と保険適用外になる場合があります。

今回は、ピルが保険適用になる理由と保険適用外の場合の金額について詳しく解説します。

ピルは保険適用になるの?

病院で診察を受けて処方してもらう薬はピルも含めてすべて保険適用になるものと思ってしまいがちですが、実はそうではありません。ピルの場合もほかの薬同様、「何のために服用するのか」によって保険適用になるか、保険適用外になるかが決まります。

低用量ピルの場合

残念ながら低用量ピルの場合、基本的に保険適用にはなりません。したがって避妊を目的に低用量ピルを処方してもらう際には、患者の医療費負担割合が3割の保険診療扱いではなく自由診療(※)扱いとなります。これにより、薬代だけでなく診察料や検査料などのピルの処方にあたってかかる費用の全額を自己負担しなければいけません。

※自由診療(自費診療)とは・・健康保険などの公的な医療保険制度が適用されない医療技術や薬などで行う診療のこと。治療にかかる費用をすべて患者が負担しなければならない(10割負担)。

ただし以下のような症状の治療を目的として低用量ピルを処方してもらう場合には、保険適用となります。

  • 月経困難症(月経が始まるとともに下腹部痛や腰痛、悪心、嘔吐、貧血、頭痛、食欲不振などの症状があらわれ、月経が終わると症状が消えたり軽減したりするもの)
  • 子宮内膜症

アフターピルの場合

アフターピルは保険適用にはなりません。そのため診療料から検査料、薬代にいたるまでの全額を自己負担することになります。ただし性被害に遭ってしまい緊急避妊が必要となってアフターピルの処方を受ける場合には警察が一定額まで費用を負担してくれることがあるため、以下の警視庁の犯罪被害者支援室、相談窓口に連絡しましょう。

情報発信元:警視庁 犯罪被害者支援室

電話:03-3581-4321(警視庁代表)

参考:警視庁 医療費等の女性・病院の紹介・カウンセリング

なぜピルは保険適用できないの?

日本ではすべての国民に平等に最低限の医療サービスを提供できるよう保険組合の財源を確保するという観点から、保険診療の適応範囲を設けています。保険診療が適応される治療方法や薬、料金などには細かな規定があり、この規定を外れた治療を行う場合には保険は適用されません。

ピルについては、生理痛などの月経困難症や子宮内膜症などの治療を目的として診察や検査、薬の処方を行う場合には保険診療の適応となりますが、避妊を目的とする治療や薬の処方を行う場合には保険適用外となります。基本的に保険は病気の治療にのみ使うことができるため、病気ではない避妊を目的とした治療や薬代には残念ながら適用されないのです。

保険適用されない場合のピルの金額は?

保険適用にならないとなると「全額自費なんてすごく高そうで買えないかも・・」と不安になる方もいるかと思いますが、実はピルはそこまで高額な薬ではありません。

そこでここでは、当クリニックで取り扱っている低用量ピル(経口避妊薬)アフターピル(緊急避妊薬)それぞれの金額をご紹介します。

※1シートで1か月分(28日分)

低用量ピル マーベロン28 2,500円/1シート
フォボワール28 2,000円/1シート
トリキュラー28 2,300円/1シート
ラベルフィーユ28 2,000円/1シート
アフターピル ノルレボ錠1.5㎎ 16,000円
ノルレボ日本製ジェネリック 9,000円
ノルレボ海外製ジェネリック 5,000円
エラ 12,000円

低用量ピル(経口避妊薬)とアフターピル(緊急避妊薬)の種類について詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考になさってください。

低用量ピルの避妊効果は?避妊以外にもメリットってあるの?

低用量ピルはコンドーム以上の高い避妊効果を持つ薬ですが、服用することによるメリットは避妊以外にもあるというのをご存じでしょうか。

ここでは、低用量ピルの避妊効果とそれ以外のメリットに加え、ピルの服用によって生じる副作用について解説していきます。

避妊効果

低用量ピルの避妊効果は極めて高く「正しく」服用すればその避妊成功率は99.7%にも及びます。ただし、この避妊効果はピルを毎日忘れずに飲み続けた場合に得られるものです。1、2日程度の飲み忘れであれば気づいた時点ですぐに飲み忘れた分を服用することで避妊効果を維持できますが、飲み忘れが長期間に及んでしまうと避妊効果は期待できなくなります。

とはいえ、低用量ピルは飲み忘れ等のアクシデントを考慮しても92%程度の高い避妊効果が期待できるため、女性主体でできる避妊手段としては最も効果的です。

このように非常に高い避妊効果を持つ低用量ピルですが、その効果はどのような仕組みによって生まれるのでしょうか。低用量ピルの避妊効果はピルに含まれる、女性ホルモンのエストロゲンとプロゲステロンがもたらすもので、主に以下のように作用します。

  • 排卵を抑制する
  • 子宮の入り口にある頸管粘液を変化させて精子が子宮に侵入するのを妨げる
  • 子宮内膜を変化させて受精卵が着床しにくくする

これらの作用による避妊効果は低用量ピルを飲み始めた初日から(サンデースタートピルの場合は1週間後から)得ることができ、低用量ピルを飲み続けている限りは確実な避妊が可能です。

メリット

低用量ピルが女性の体にもたらすメリットは、避妊だけにとどまりません。低用量ピルには避妊以外にも以下のような症状の改善に効果があります。

  • 生理不順
  • 過多月経※
  • PMS(月経前症候群)※
  • PMDD(月経前不快気分障害)※
  • 肌荒れ
  • 生理痛

※過多月経・・日常生活に支障をきたすほど経血量が多い月経のこと。経血量が1時間前後でナプキンを替える、レバーのような血の塊が経血の中に混じっているなどの症状があると過多月経の可能性がある。

※PMS(月経前症候群)・・生理が始まる2~14日前から体や精神に不調が起こる症状のこと。頭痛や下腹部痛、乳房の痛み、便秘、肩こり、むくみ、不眠、疲労感、いらいら、情緒不安定、憂鬱感などの症状が現れることが多く、生理が始まると症状は消える。

※PMDD(月経前不快気分障害)・・PMS(月経前症候群)で生じた精神症状が悪化して、うつややる気の喪失、絶望感など精神が極めて不安定になっていしまう症状のこと。感情のコントロールができなくなって人間関係でトラブルを引き起こしたり、社会活動を送れなくなったりすることがある。

また低用量ピルには、以下の病気のリスクを下げる効果もあります。

  • 卵巣がん
  • 子宮体がん
  • 大腸がん

このように避妊以外にもさまざまなメリットがある低用量ピルですが、この低用量ピルの作用を利用すれば試合や試験、旅行などの重要なイベントに生理がかぶらないよう生理日をずらすことも可能です。実際女性アスリートの方の中には本番で最高のパフォーマンスができるよう、生理日をずらすことを目的に低用量ピルを飲んでいる方もいます。

ピルで生理日をずらす場合は、後述する副作用を考慮して2~3か月前からピルの服用を始めて体を薬に慣らしておくと良いでしょう。

副作用

低用量ピルの代表的な副作用は、以下の通りです。

  • 吐き気
  • 頭痛
  • 乳房の張り
  • 不正出血
  • むくみ
  • 血栓症

上記の症状はピルを飲み始めてから2~3週間、長くて1~2か月ぐらいの体がまだ薬の成分に慣れていない時期に出ることが多いとされていて、時間の経過とともに落ち着いていきます。

低用量ピルの副作用の中でも、特に多くの方に見られるのが「不正出血」です。不正出血は約20%の割合で現れる症状で、妊娠しにくい状態を作るために子宮内膜の厚さを薄くしていることが要因で起こります。

生理予定日ではないタイミングで出血があった場合には不正出血と考えられますが、基本的には服用を開始してから3か月間以内に起こる不正出血は問題ありません。ただし3か月を過ぎても出血が止まらなかったり量が多かったりする場合には、医師に相談することをおすすめします。

巷では「低用量ピルを飲むと太る」という情報が飛び交っていますが、これはピルの副作用の一つである「むくみ」によるものです。したがって飲み初めのころに一時的に体重が増えることはありますが、時間の経過とともに徐々にむくみがなくなるため1~2か月のころには体重は落ちていきます。

低用量ピルの副作用には基本的にそこまで重篤化するものはありませんが、「血栓症」に関しては注意が必要です。血栓症とは血液が固まってできた血栓が血流を遮断し、血液が臓器に行きわたらなくなることでさまざまな障害を引き起こす病気のことで、ピルを飲んでいる女性の方がピルを飲んでいない女性に比べ若干血栓リスクが高まります。

ピルを飲んでいる女性の血栓ができる割合は3~9人/10,000人とごくわずかではありますが、家族や親族に血栓症にかかったことがある方がいる場合や、肥満、喫煙、高齢などの条件にあてはまる場合はリスクが高くなるため注意する必要があるでしょう。

「ピルって副作用が辛そう・・」というイメージを持っていらっしゃる方は多いかと思いますが、現在主流となっている低用量ピルは含有する女性ホルモン量が少ないため深刻な副作用が出ることは非常にまれです。副作用が出ても軽度で済むことが多く、副作用が全くなかったという方も多くいます。

ピルの購入ならオンライン診療がおすすめ

ピルは避妊目的以外にも、さまざまな症状の改善に効果をもたらす薬です。ピルを避妊目的で使用する場合は保険適用にはなりませんが、生理痛やPMS(月経前症候群)の症状に悩んでいる場合には保険が適用されます。

保険適用外であったとしても、低用量ピルであれば1ヶ月当たり2000〜2500円程度の薬代+診療費になるため、費用がかかってしまうわけではないため安心してください。

生理に関連した不快症状に日ごろ悩んでいる方は、不調を放置せずに生活の質を向上させるためにもピルの服用を検討してみてはいかがでしょうか。

当院ではオンライン診療でピルの処方が可能です。ぜひお気軽にご相談ください。